人は一人では生きていけない
8月19日からの豪雨により、広島市北部で発生した土砂災害では、多くの犠牲者を出しましたが、亡くなられた方への哀悼と、今なお行方不明となられている方の早期発見を願う気持ちと共に、被災地で懸命に捜索に当たった警察官や消防隊員、自衛隊員の方たちへの畏怖の念で、頭が下がります。
このような災害が発生するたびに、人は一人では生きていけない、とつくづく思わされますし、自分も人のために何かできることをしたい、という思いに駆られます。
ところで、仕事柄、生活保護受給世帯の高校生のアルバイトについて相談を受ける機会もあり、これまでは高校生のアルバイト収入も収入認定をされ、保護費の返還を求められたりしていることに違和感を感じていました。
しかし、厚生労働省は、今年4月からの生活保護の実施要領で、「就労や早期の保護脱却」に資する高校生のアルバイト収入は、収入認定をしないとの改定を行いました。
今回の改定により、就職のための自動車免許取得費用、就労に必要な資格取得のための大学、各種学校などに入学するための費用などについて、アルバイト収入は収入認定から除外となります。
このような改定は、生活保護受給世帯が急増している中で、むしろ生活保護費を切り下げるべきだとする風潮に逆行するとの批判もあるのかも知れませんが、生活保護受給世帯の高校生という弱者を、社会で支えて、将来有望な人材に育てるためには、必要不可欠な制度改定として、歓迎し、受入れるべきだろうと思います。
そして、このような恩恵を受けたことにより、この高校生たちが、他者への思い遣りの気持ちを育み、その思い遣りを行動で体現できるような人材に育つのではないか、と思います。
2014/8/29 MURAKAMI